理士を目指す方へ

 はじめに・・

税理士を目指す方にも見てもらいたくて、このページを設けました。
限りなく私個人の趣味に近いページではありますが、一番楽しみにし
ていたページでもあります。

私自身、ついこの間まで皆さんと同じ受験生でした。
しかも、受験回数は16回と、かなり出来の悪い受験生であったことも
確かです。
きっと、早い人で4、5年、遅い人でも10年以内に合格してゆくのだと
思います。(想像ですが・・・)
でも、途中で、あきらめる人もいっぱいいると思います。
だって、毎年受験する人は、簿記論、財務諸表論だと札幌だけで、数
百人いると思うのですが、最終的に5科目とる人は20人もいません。
(受験地が札幌での話しです)
むしろ、税理士になる人より、途中であきらめる人のほうが、圧倒的に
多いのかもしれません。


 変な試験ですよね!

税理士試験は、成績上位者10%前後が合格となります。
だから、たとえ自分が99点取れても、100点の人が10%いれば合格
できないし、50点しか取れなくても上位10%に入れば合格します。
実際、私が法人税を受験したときは、問題が難しくてぜんぜん出来な
かったにもかかわらず、合格したこともあります。
模範解答を見たときは、50点も取れていなかったと思う・・・
ただ、自分で「合格した」と、確信した年はたいてい合格してましたけ
ど・・・
大勢の人が試験に向けて必死で勉強している中で、上位10%に入る
ことはやはり大変な事だと思います。


 合格するには?

受験に対するアドバイスというわけでもありませんが、「最低限これだ
けは必要なこと」と思うことをいくつか書いてみたいと思います。

@学校を選ぶこと
  税理士試験は、他人との競争です。(最終的には、自分との戦いで
  すが・・・)
  受験のための学校も雑誌もいっぱいあります。
  本や雑誌で勉強しても、受験までのスケジュールは自分ではなか
  なか立てられないし、立てる時間ももったいないと思います。
  その点、学校では、試験までのスケジュールが最初から出来てい
  ますし、カリキュラムも網羅されていますし、かつ傾向も抑えていま
  すので受験生は余計なことを考えず、勉強に専念できます。
  また、豊富な模擬試験も用意されていますので、事前に試験にな
  れることも、緊張感を経験することもできます。
  近年の試験は特に、ボリュームも多く、考えることに多くの時間をさ
  けません。
  学校では、数多くの問題を、反復して何度も解くことにより、解答の
  要点を拾い出す訓練と、一気に書くという訓練をします。
  お金はかかりますが、結局この方法が一番の近道だと思います。
  それと、可能な限り通学することを薦めます。
  通信講座も、ほとんどの学校が用意しているようですが、自分で時
  間を管理していくよりは、学校に時間を合わせていくほうが、計画
  的に勉強も進むと思います。
  自分で管理していくのは難しいですよ・・・ついつい怠けてしまいま
  すし・・・
  私は最後の1科目を、ビデオの講座でとりましたが(ビデオ以外に
  講座がなかったので・・)、そのビデオを見れるのが実際の授業よ
  り10日位遅れてました。
  試験前の10日遅れって、結構不利ですよね。
  だって、その授業をナマで受けてた人は自分より10日先に、受験
  に専念できるんだから・・
  やっぱり、通学して授業を受けるのがベストでしょう。

A憶えるべきことは決められた期間内に憶えること
  税法の理論などは、憶える(暗記するのに)のにとても時間がかか
  り、しかもかなりの数の理論を憶えなくてはなりません。
  憶えなければならない理論は、その時々に必ず憶える事が大事で
  す。
  一度憶えた理論も、時間の経過と共に忘れてゆきます。
  憶えることの繰り返しで、試験当日に、書けるようになっているの
  だと思います。
  その時憶えられなかった理論は、最終的に憶えられないと思って
  ください。

B試験前1ヶ月は受験に専念すること
  仕事をもっている人が、試験前1ヶ月間休むことは不可能ですよね。
  しかし、最後の1ヶ月くらいに、どれだけ集中して勉強できるかで最
  終的に勝負は決まると思います。
  せめて、試験前10日から2週間の休みを確保する努力をすること、
  最後の1ヶ月は、きっちりスケジュールを作り、確実に予定をこなす
  ことは絶対的に必要だと思いますよ。
  この時期に、新たに憶えなければならない理論も出てきます。
  余裕を持って、というのはこの時期になると無理にしても、それでも
  やらなければならないことはいろいろと出てきます。
  だからこそ、Aで言った憶えるべき理論はそのときに憶えておかな
  ければなりません。
  そして勉強をする場所も、自宅ではだめです。(自宅には、テレビや
  家族、その他気になるものがいっぱいありますから)
  なるべく学校などの自習室で勉強されることおお勧めします。
  私が通っていた大原簿記専門学校では、自習室があり、試験前に
  なると多くの受験生が利用していました。
  学校のいいところは、涼しいこと(季節がらエアコンは能率を上げま
  す。もっとも寒すぎることもありますからセーター持参でしたが・・・)、
  必然的に勉強以外できないこと、みんなの勉強している姿を見て
  いたら、怠けることはできませんよ。
  「通う時間がもったいない」なんて言ってないで一度足を運んでみ
  てください。
  かえって、学校までの往復は、気分転換と適度な運動になってち
  ょうどいいですよ。

C受験勉強は試験直前まで続きます
  朝一の試験は9時からです。
  7時には起きて・・・とか言われていますが・・・
  私は、最後の数年、前日夜10時ころ寝て、朝4時に起きて不安の
  ある理論や、自分なりにヤマをかけた理論をまわしました。
  前日の記憶よりは当日の記憶です。
  そして当日試験会場では理論をいくつか、あるいは、特定の箇所
  をいくつか決めて最後の確認をします。

  問題は前日の夜10時に寝れるかどうかなんです。
  私だけかもしれませんが、最後の1科目のときは、寝れませんでし
  た。
  10時に布団に入ったものの、2時まで寝れずに、それでも4時に
  起きて理論をまわして試験会場に向かった年もありました。
  泣きたくなるような朝だったのを覚えています。
  他人に聞いたことはないのですが、最後の1科目ってみんなそうな
  のかな?
  それとも私だけなのかな?
  経験のある人、教えてください。
  


 働いている方へ

受験に専念できる環境であればいいのですが、何しろ数年にわたる
試験であるため、ほとんどの受験生が仕事を持ちながらの受験になる
のではないでしょうか?
私自身も、仕事をしながらの受験を続けてきましたし、その仕事も年と
ともに忙しくなり、また長い受験生活の中で、結婚もして子供も二人で
きました。
年齢とともに受験の環境はどんどん大変になってきます。
自分の努力もさることながら、家族、職場の協力も不可欠ですね。
会計事務所に勤めていると、3月から5月までは仕事もピークを迎え、
その時期勉強のピークとも重なります。
しかも、その後は受験に専念しなければならず、休み毎学校の自習
室に通うなど、試験までは我が家は母子家庭状態でした。
早いうちに合格できるにこしたことはありませんが、合格までにいろい
ろな経験をつむ、あるいは実務に合わせて受験科目を選択する、とい
う意味では、あせらずじっくりでいいのかもしれません。
私は38歳のときに合格しましたが、経験と年齢は結果的にちょうどよ
かったかもしれません。
もっとも、最後の受験科目の選択に失敗した感はありますが・・・
ちなみに最後の受験科目は国税徴収法でしたが、この科目、一般的
な知識としては役に立ちますし知っているに越したことはありませんが
、もっと必要な科目にすればよかったかな、と思います。


 受験科目について

受験科目は皆さんご存知のとおり、簿記論、財務諸表論は必須科目、
そして税法科目は、法人税法または所得税法のいずれかが必須科目
なのですが、さて、何を選択するかが問題ですね。
法人税法と所得税法はいずれもボリュームがあります。
どちらかをとるのなら、実務に合わせて法人税法です。
仕事のほとんどは、あるいは収入のほとんどは、法人を対象としている
のが実情です。
法人税法を知らないで仕事はできません。
所得税法は、最低限押さえておけば、日常業務はさほど困りませんし、
譲渡所得などはいずれにしてもそのつどの勉強だと思いますよ。
法人税法同様に、消費税法も日常の仕事ですし、必ずといっていいほ
ど毎期申告書を書くことになります。
今となっては知らないでは済まされないほど重要な税目です。
直接収入につながらないにしても、やはり押さえておかなければなら
ない科目だと思います。
私自身は、相続税法をとりませんでしたが、これは失敗でした。
税理士登録後、実務講座を受けましたが、しょせん受験レベルの知識
と、実務講座の知識は雲泥の差があると思います。
札幌あたりで開業しても、相続税の申告書を書くのは2,3年に1回位
ですが、それでも、知らないでは済まされないのが相続税です。
相続税が発生するかどうかは別にしても、相続に関する顧客の関心
は高く、「聞かれてもわからない」では困りますよね。
なんといても、そのときあなたは税理士なのですから・・・
結論は、簿記論、財務諸表論、法人税法、消費税法、相続税法の5
科目がベストだと思います。
私自身は、最後に相続税法ではなく国税徴収法で税理士になりまし
たが・・・

余談ですが、先日顧問先から資本金の増資の相談を受けました。
調べているうちに気がついたのですが、増資する法人と株主の双方の
観点から考えると、この問題に絡む法律は、商法はもちろんのこと、税
法も、法人税、所得税、贈与税、相続税が絡んできます。
場合によっては、税法も複雑に絡むんですねぇ。


 最後に・・・

私は、決して頭がいい人間ではありませんし、勉強ができるわけでも、
ましてや好きでもありません。
高校の時に学校の勉強ができなくて、進学を考えたときに、今までの
勉強の延長に自分の将来を見出せず、それならいっそ今までとまった
く違う道へ進もう・・・
ある意味では、やり直しで、そしてこれが始まりでした。
とりあえず受験資格が要るので、何とはなしに日商の簿記検定を受け
ているうちにたまたま受かってしまい、そこから税理士受験を始めまし
た。
23歳の時でした。

1年に1科目ずつ受験し、簿記論、財務諸表論はあっさり受かったもの
の、税法科目にはてこずってしまい結局終わってみれば38歳です。
普通は、ここまでかからずに合格するか、あるいはあきらめるかだと
思います・・・
私は途中であきらめることができませんでした。(そういう性格なんで
すねぇ)
自分が税理士になれることを自分に証明したかったのです。
人が何かを望んだとき、それが本当に望むことなら決してあきらめて
はいけません。
あきらめた時点で、望みはかないませんよ。(宝くじだって、買わない
と当たらないでしょ)

長い受験期間には、つらいこともたくさんありましたが(と、思うのです
が、実はあまり憶えてません)、結果的に税理士になれました。
受験にかけた時間に見合う喜びもありましたし、取得した資格以外に
もいろいろなことを得ることができました。
いいことも悪いことも、決して無駄なことではなかったと思います。

皆さんが、1日も早く税理士になれるように、そして、得るものがたくさ
んあることを祈っています。
いつか、同じフィールドでお会いしましょう。



                2002年4月27日   税理士 渡邊 亨